小売現場体験談 ~発注に必要なこととは?~

東芝テック 新規事業戦略部 データサービス推進室山田です。 

 二十数年間にわたって小売りの現場を経験した私からは、当時考えていたことなどデータにまつわる話を中心にお届けしたいと思っております。よろしくお願いいたします。 


目次 
(目次1)指令!年末年始のたまごの発注
(目次2)発注に必要なものは、経験・勘・度胸 ?
(目次3)新年を迎えて 


■ 指令!年末年始のたまごの発注

 小売業の現場は、時間との戦いです。 

陳列時間、開店時間、閉店時間、発注締め切り時間、いったい幾つ〇〇時間があるんだというくらい時間に追われています。その中で、商品の入荷検品、陳列、さらには加工や接客多種多様な仕事をこなしながらも、自分の仕事が消費者の「ありがとう」に直接つながる、忙しくもやりがいのある現場です。(個人的には「でした。」) 

 その忙しくもやりがいのある毎日を過ごしていく中で、じわじわと高揚感が高まってくる時期があります。それは12月です。1年間の最大商戦に向け、色々と準備をしていきます。チラシ、店内装飾、人員体制、組合との残業枠調整、発注、売り場計画などなど。

 二十数年前の新入社員当時、私は食品売り場担当者として日々汗を流し、12月は忙しくする先輩社員の姿を見て高揚感を感じつつも、役割のない気楽さを味わっていました。 そんな頃、上司から「山田、年末年始のタマゴの発注をやってみてくれ」その言葉と、前年の発注数量を書いたメモを1枚頂きました。このメモを頼りに、年末年始のタマゴの発注数量を決めろという指示でした。 



■ 発注に必要なものは、経験・勘・度胸?

 メモ一枚に書かれた数字だけを頼りに発注数量を決めるのは、相当の覚悟が必要でした。もちろん、前年実績は重要な要素一つですがやはり不安です。そこで、店内にある色々なデータを探し使いました。前年と当年の客数、同じような動きをする商品の販売数量の伸びなど、先輩に聞いたり自分で仮説を立てたりと楽しかったことを思い出しますが、タマゴと伊達巻との関係には悩みました。 

 私の仮説としては、通常売れない伊達巻が年末膨大に売れる=年末のタマゴの販売数量はきっと減るはずだ!でした。しかし、それは仮説にすぎません。もしかしたら消費者は同時購入しているかもしれない。一緒に買っているかどうか分かれば、発注数量を決める参考になるはずだと思っていましたが、当時はそういったデータはありませんでした。いわゆるIDPOS分析が出来ればと思っていました。結果は・・・・ 


■ 新年を迎えて

 去年日付のタマゴの陳列を最小限にすることができ、いい新年を迎えられました。タマゴの発注数量がドンピシャだったわけです。周りからも褒められ、いい仕事が出来たと喜んでいました。

 営業体制や物流体制が全く異なる現在、その手法が通じるとは思っておりませんが、データを利用して物事を決めていく、さらに、その対象を広げていく。この事は、今小売業の現場で強く求められている事と思っています。


 経験・勘・度胸それにデータを加え、小売業の現場の皆さまの決断をサポートするソリューションとゆとりある現場を東芝テックは作っていきたいと思っております。 

 

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東芝テックのデータソリューション担当者ブログ

東芝テックのデータサービス担当社員が小売業向けにデータに纏わるセキュリティ・法令に関する情報掲載とメンバーの体験談をデータサービスと絡めて記載しています。